大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)1115 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人柳井忠光の上告趣意について。

所論は、原判決に被告人の弁護権を侵害した違法があると前提して憲法三七条三

項違反を主張する。よつて記録を調べてみると所論摘示のように、原審は昭和二九

年一〇月二九日控訴趣意書提出最終日(同年一二月一〇日)の通知とともに弁護人

選任の照会をし、この通知照会はいずれも同年一一月一日被告人に到達したのにか

かわらず、被告人は七日とする所定の期間内に弁護人選任の請求をなさず、右請求

書をようやく控訴趣意書とともに提出し、これら書面はいずれも最終日の前日たる

一二月九日に原裁判所に到達したことが認められる。してみると原審が弁護人を被

告人のために控訴趣意書を提出できるように選任することができなかつたのは、一

にかかつて被告人がその権利の行使を怠つたことによるのであつて、原裁判所の処

置を非難するのは全く当らない。そして右のような経過である以上、原審がそれよ

り約二週間後に弁護人を選任したからといつて、もはや弁護人と控訴趣意書との関

係になんら消長を来たすものではない。従つて原審の手続には全く違法はなく、違

憲の主張は前提を欠くことに帰する。

被告人の上告趣意について。

所論は、法令違反の主張に過ぎず刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録

を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

昭和三二年二月二六日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

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